職種紹介
名刺一枚で誰でも会える「やりがいのある仕事」
東京編集局には政治部、社会部、経済部、外信部、運動部、文化部…などのたくさんの部署があります。新聞記者は「名刺一枚で誰にでも会いに行ける仕事」といわれますが、令和の時代も変わりません。
持ち場で発生するニュースに対応するだけでなく、まだ世に出ていない話を報じるのも醍醐味です。新型コロナの緊急事態宣言中、ある首長が公用車で宣言区域外に越境し、宴会を開いていたと取材先から教えてもらったことがありました。住民に対して不要不急の移動自粛を求めている立場の人物がやるべきことなのか。疑問に思って記事にしたところ、他のメディアも追随するなど反響を呼び、次の選挙でその首長が僅差で落選しました。自分の書いた記事が人の人生を左右するかもしれず責任重大ですが、やりがいのある仕事です。
現在の業務内容
歴史の目撃者 政治の今を追う
現在は首相官邸で、総理番と呼ばれる仕事をしています。政治部の新人が決まって最初に任される担当であり、総理が参加する試食イベントから政界重鎮との会食まで、その一挙手一投足をウォッチします。
今でも忘れられないのが、安倍元首相の銃撃事件です。その日は岸田首相の応援演説に同行していましたが、事件を受けて首相が急遽帰京。先輩からは「歴史の教科書に残る取材だぞ」と発破をかけられ、慌てて官邸に戻りました。静まり返った官邸に、首相を乗せたヘリのローター音が響き渡り、エレベーターから首相が姿を現し―。「卑劣な蛮行であり、決して許すことはできない」。報道陣の前で時折声を震わせ、鼻をすすりながら語る首相の一言一句を必死に聞き、すぐさま文字に起こして上司に報告しました。歴史的な瞬間に居合わせることができるのは、この仕事ならではです。
仕事の魅力
自分の思いを社会に発信
自分の興味・関心を仕事につなげられます。東京には伊豆大島という離島がありますが、私は大学時代に毎年合宿に行っており、もともとなじみの深い場所でした。その伊豆大島がコロナ禍の最中、島にコロナ患者を受け入れられる病床がないにも関わらず、観光の再開に踏み切ったと聞き、「島のジレンマ」というテーマで連載案を提出。上司からゴーサインが出て、2泊3日の現地取材をする機会に恵まれました。
観光再開の決断の背景には何があるのか。町長や病院の院長、旅館経営者、観光客、島の若者・・・・・・時には取材対象者と酒も飲み交わして話を聞き、上・中・下の連載にしました。
筋道を立てれば、自分のアイデアに基づいた取材もできる自由度の高さが新聞記者の魅力です。
ある一日のスケジュール
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08:00
取材先を朝回り。出勤中に新聞やスマートフォンでニュースを確認
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09:00
ためていたネット用の記事を執筆
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11:00
兼務している大臣の記者会見を取材。ニュースがあれば上司と相談して出稿
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12:00
昼食
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13:00
首相が自民党本部に向かったので追跡。誰と面会するのかチェック
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15:00
官邸に出入りする議員や官僚を目視で確認。今何が動いているのかを掴む
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18:00
夜回り。時には取材先と食事に行ったりすることも
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- 休日はこんなことをしています
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- 私の職場の「業界用語」