フェムケア通じて
社会を変える

産経新聞メディアビジネス局

フェムテック・フェムケアとは?

みなさんは、「フェムテック」や「フェムケア」という言葉を聞いたことがありますか?

「フェムテック」とは、Female(女性)とTechnology(テクノロジー)をかけあわせた造語です。生理やPMS、更年期など、女性特有の健康課題を、テクノロジーの力で解決するための製品やサービスを指し、近年注目を浴びている分野です。「フェムケア」とは、ITに限らず女性に寄り添うものをさすことが多いですが、「フェムテック」と明確な区別はありません。

大きな反響…「フェムケアプロジェクト」誕生!

産経新聞社が発行するフリーマガジン「メトロポリターナ」は、2023年で創刊20周年を迎えました(メトロポリターナは、東京メトロ上野、銀座、日本橋、新宿、渋谷、池袋、大手町、東京…など53駅に専用ラックを設置して無料配布しています。ぜひ読んでみてください!)。

創刊当時より、働く女性を応援するコンテンツを中心に情報を発信してきたなかで、2021年にはじめて「まずは知りたいフェムテック」という特集を掲載したところ、非常に大きな反響がありました。女性のみならず、男性の読者からも、「娘を持つ父親として知っておきたかった」「夫婦で会話をした」など、誰でも気軽に手に取れる媒体だからこそ、これまで、タブー視されがちな「生理」「更年期」「妊活」などの課題について、コミュニケーションや会話のツールとして活用いただけるという役割を実感しました。また、男女双方にこの課題について考えるきっかけになると考え、同年10月に、「フェムケアプロジェクト」を立ち上げました。

社内で「生理研修」も 社全体で取り組み

現在「フェムケアプロジェクト」は、メトロポリターナのみならず、産経新聞社全体のプロジェクトとして発展しています。フェムテックが一過性の流行ではなく、ひとつのムーブメントとして社会に根付くことが必要で、そのためには女性のみならず、男性や、社会全体の理解が深まることもとても重要なポイントだからです。

メトロポリターナでは、毎月、専門家やフェムテック企業の人など、社会を牽引しているトップランナーにインタビューする連載「フェムトーク」をはじめたり、生理の基礎知識や、ジェンダーや働き方に関する企業の取り組みを深堀りする特集を強化したりしました。産経新聞では、男性更年期など、男性特有の悩みにフォーカスした記事を掲載するなど、それぞれの読者が「自分ごと」化しやすい工夫をしています。また、発信している私達自身も変わっていく必要があると考え、生理ナプキンなどを販売するユニ・チャーム社とタッグを組み、人事部とも連携して、社内で新任管理職に対する「みんなの生理研修」を2022年11月に実施しました。生理の仕組みや、ケアの方法などを、男性、女性社員が一緒になって学び、考えるワークショップで、全社的にこの課題を考える契機になりました。

「国際女性デー」や全面広告で大展開!

このほか直近では、2023年3月8日の「国際女性デー」を記念して、産経新聞でははじめての見開きの特集と、2日間にわたり9つのセッションを配信する大型オンラインイベントを開催。複数の協賛社とともに、TwitterLive配信、メトロポリターナの巻頭特集との連動など、立体的な展開でこの日を盛り上げました。6月20日の産経新聞創刊90周年に際しては、「フェムケアプロジェクト」としてはじめての全面広告を掲載。このテーマに関心の高いクリエイターの方々とコラボする形で広告を制作しました。生理にともなう心身の不調に悩む女性社員と、いつもと違う様子に気がつきながらも、声をかけられずに戸惑う男性社員が両脇にいて「話しづらい生理。どうしましょ。」というコピーが大きく書かれていますが、折り線にそって折り合うと、二人が寄り添い、「話しましょ。」といった新たなコピーと会話が表れる仕掛けになっています。モヤモヤしていた2人が、一歩ずつ歩み寄ることで、お互いのワンアクションにつながる姿を新聞広告で表現しました。

誰もが生きやすい社会の実現に向けて

新聞広告で発信した「話しましょ。」というメッセージの通り、「フェムケアプロジェクト」では、生理に限らず、誰もが抱える痛みや苦しみを、誰もが当事者として、互いに理解しあい、寄り添うことのできる社会、そんなありたい未来を後押していく活動を進めていきます。女性のみならず、多様な人の困りごとに目を向け、誰もが生きやすい社会を推進することは、いますべての企業に求められている「DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)」の推進につながると考えています。今後も、「フェムケアプロジェクト」を通じて、さまざまな企業や団体、専門家やクリエイターの皆様とともに、少しでもよりよい社会の実現に寄与できればと思います。