産経新聞社

事業ビジョン

代表取締役社長 熊坂骭

代表取締役社長 熊坂骭

 メディアの世界は変革期を迎えています。インターネットを使った情報端末が浸透し、人々がニュースや欲しい情報を得る手段は、かつてないほど増えました。

 それでも日本には、依然として何千万という新聞の読者がいます。情報があふれかえる時代だからこそ、読者から新聞に対して信頼と期待が寄せられているのでしょう。私たちは重い責務をひしひしと感じています。

 情報環境の変革期であるがゆえに、産経新聞社は報道・言論機関の原点を大切にしなければならないと考えています。真実を見極め、読者に本当に必要とされる報道をすること。豊かな国、住みよい社会の実現のため、信ずるに足る主張をすること。この原点こそが、ほかのメディアがとって代わることのできない、新聞の得意とする分野だからです。

 産経新聞は時代におもねらず、時に世の趨勢に反しても、独自の立場から正しいと信じる論陣を張ってきました。一時はこれが非難されても、やがて賛同の声が寄せられるようになったことが往々にしてありました。

 断固とした論調だけではなく、東京版の夕刊廃止や横書き新聞の発刊、デジタル会社の設立と先進的なIT事業の取り組みなど、産経新聞社の歴史は「挑戦」に彩られてきました。こうした伝統を継ぐべく、これからも一層の努力と研鑽を惜しみません。

 ただし、伝統を守るだけではなく、新しい時代への自己変革にも、これまで以上に力を注ぎます。情報環境の激変ぶりを見ると、次世代の情報産業に求められる仕事は無限に広がっているように見えます。情報産業の一翼を担う新聞社として、新たな事業分野にも貪欲に取り組みます。

 伝統と変革。産経新聞社の新たな挑戦は始まったばかりです。

〈報道・言論活動の志〉

 産経新聞社は、日本と日本人にとって重要な事柄を、社会の風潮におもねらず積極的に報道してきました。日本海沿岸で多発した謎の行方不明事件を、北朝鮮による拉致事件とみて粘り強く追及。日中の友好関係の重要性を認識しつつも、中国の対日政策の問題を鋭く指摘してきました。教育、社会福祉、国の制度改革なども、将来の日本のためにどうあるべきかという視点で、分かりやすく報道しています。時の政権に対しても、是々非々の立場から鋭い論評を加えてきました。

〈新聞の可能性を模索〉

 産経新聞社は東京本社管内の夕刊を廃止し、24時間編集の朝刊発行体制にすることによって、より新聞の「強み」を活かす道を選びました。また、米ブルームバーグ社のニュースを盛り込んだ経済紙「フジサンケイビジネスアイ」を発行しています。さらに、韓国の芸能・タレント情報を掲載した週刊新聞「韓Fun」を発刊するなど、印刷メディアの可能性を探り続けています。

〈ネット時代の新聞〉

 新聞は情報メディアとしてインターネットとの融合が不可欠となりました。特徴あるサイトをそろえ、利用者のニーズに応える独自コンテンツや、新聞紙面に掲載しきれない詳細な情報を届けています。携帯電話でも、米アップル社の「iPhone(アイフォーン)」で産経新聞の紙面をまるごと読めるサービスを提供。アップル社のタブレット型端末「iPad(アイパッド)」では、高精細で使い勝手の良い有料の紙面配信サービスをしています。

〈社会への貢献〉

 産経新聞社は地域の人たちと一緒に福祉について考え、ともに行動したいと考えています。産経新聞社が母体の「社会福祉法人 産経新聞厚生文化事業団」は、大阪府豊能郡能勢町、豊能町と池田市で知的障害者の支援施設「三恵園」など9つの福祉施設、障害福祉サービス事業所を経営。また、能勢町と池田市で20カ所のグループホーム・ケアホームを運営しています。このほかに昭和41年6月より「明美ちゃん基金」を行っています。産経新聞社に寄せられた1通の投書がきっかけで始まった先天性心臓病の子供を救うこの基金は、外国人の子供たちに適用が広がり、これまでに100人を超える子供たちの医療費として役立てられました。